皆さまこんにちは。山口です。
前回の新商品紹介ブログ、お読みいただけましたでしょうか?
すでに店頭にていち早く新作をゲットしてくださったお客さまも多くいらっしゃいます。
そのうちの一つ『 TLP CALENDER 2023 』
毎年好評いただいているカレンダーが今年も発売になりました!
…ですが、「今年も」といっても私は初対面、そしてこのカレンダーが私にとって初の活字印刷、大仕事となりました。
わからないことだらけの中試行錯誤しつつ、毎日印刷技術を教えていただきながら、昨年のクオリティを保てるよう一枚一枚丁寧に印刷…そんな奮闘記として制作過程もご紹介できたらと思っています!
前回の商品紹介でも触れましたが、昨年、一昨年とカラーの仕様を少しだけ変えて、グレージュをプラスしました。
ぎりぎりまで色味を迷っていましたが、社内で何度も相談し、SNSでもアンケートのご協力をいただきました結果、こちらの色味に落ち着きました。アンケートにご協力いただいた皆さまありがとうございます!
私もとても好きな色合いで、印刷にも気合が入りました。
今回も登場する「半自動フート印刷機」
テキンと違い半自動とは…という感じだったのですが、動かしてみてなるほどとなりました。電力で自力で動くため、長い印刷にはたしかに適役。
ただ、紙を毎回セットしてあげないといけないので、一枚印刷するごとに足元のレバーを踏んで動きをストップさせないといけません。自動という名は付いていますが、楽かと言われればそうでもなく…動かしては止め、紙をセットしては動かしての繰り返しになるので、長時間作業していると腰と首がやられました…
ここ1ヵ月ちょっとはほぼ毎日、この印刷機と一緒に作業していたので、すでに相棒意識が湧いています。しかし他スタッフはもっともっと長い付き合いでしょうから、私はまだまだですね。
動くたびにリンリンと鳴る可愛い金属音に励まされて、大量の印刷も頑張れました。
活字は毎月組み替えての印刷になります。
活版の商品はもともと好きでしたが、これまで実際に活字に触れることも、見る機会もそれほどなかったので、はじめはその細かさに戸惑いました。
活字の大きさは様々で、今回使用したものよりもさらに小さい活字もあります。細かすぎて掴みにくいので、ピンセットを使っての作業。活字は落ちたら欠けてしまうような柔らかい金属で出来ているので、とても気を使いました。
カレンダーの日曜・祝日は平日の日付より細い数字を使って、スミ1色だけでも伝わるすっきりとしたデザインになっています。シンプルで個人的にとても好きです。
活字は古いものを使っているので、それぞれ若干ですがインキの乗り具合が異なります。その仕上がりも、レトロな風合いとして楽しんでいただけるかなと思います。
カレンダーの表と裏です。
今回もしっかりと圧をかけて活版らしさが伝わるよう仕上げました。表を見てもわかりますが、裏から見るともっとすごいですね…数字がそのまま読めそうです。
圧を均等にかけたり、インキの乗りをなるべくよくするために、ただ紙をセットするだけではなく、いろいろと手間をかけねばなりません。
圧がかかりにくいところ、インキの乗りが悪いところには、部分的に薄い紙を足したりして調整します。この微妙な調整のコツを掴むまでがとても難しく、難航しました…
月ごとに活字の組み換えをするので、その度に調整をして、さらに印刷の途中でも活字は動くので終始印刷面とにらめっこ…印刷中はなかなか気が抜けませんでした。
印刷してすぐはインキが乾いていないので、重ならないように一枚ずつ丁寧に並べていき、1,2日たったら乾いているか確認して回収します。
全て刷り終わった後、集めてみたら改めてすごい数を印刷したな…という気持ちになりました。
本社にある機械は電動とはいえ、印刷工は毎日毎日これの繰り返しなのか…と思うと尊敬の念しかありません。そしてあの安定したクオリティ、本当に素晴らしいです。
そしてカレンダーの外箱。こちらはテキンでの印刷です。
突然ですが皆さま、紙には表裏があることをご存じでしょうか。
基本的に印刷する際には紙の表面に印刷することが一般的です。しかしこの外箱に使用している紙は、裏面の方がほんの少しだけなめらかで印刷がきれいに出る気がする…という理由から、裏面を表側として印刷しています。
一から物を作っていると、それに合った使い方というのがそれそれにあるのだなと勉強になりますね。
今回は昨年より圧を加え、少しでも凹みを強くできないかと挑戦しながら印刷をしましたので、昨年、一昨年分をお持ちの方は、それぞれ比べて見てみても面白いかもしれません。
最後に、こちらは TLP CALENDER の説明書です。
使用した紙もしっかりと記載し、箱の中にカレンダーと一緒に入れています。細かなところまで手を抜かないでこだわるのがまさにTLPという感じですね。
ご自宅用にはもちろんですが、突然プレゼントとしてもらった方にもわかりやすく、こだわりが伝わるのではないかと思います。活字で刷られたカレンダー、普段より特別感を感じていただけるのではないでしょうか。
TLPを知らない人にも活字のことを知っていただけるように、どんな紙が使われているのか見て楽しんでいただけるように、そんなささやかな想いも込めています。
以上、今年の制作過程でした!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
初の活字印刷仕事がまさかこんな大仕事になるとは思ってもいませんでしたが、このカレンダーのおかげでかなり成長できた気がしています。
こんなふうに携わった商品がお客様の手元に届くと思うと、とてもそわそわ楽しみな気持ちです。ぜひ皆さん、新スタッフが奮闘しましたカレンダーをお手に取ってみてください。
SNSでの感想も楽しみにしています!
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TLP CALENDAR 2023
2023年の「卓上活版印刷カレンダー」
【発売日】10月8日(土)
【料金】2,420円 (tax in)
【購入方法】店舗又はオンラインストアにて
【内容】カレンダー(12枚)・真鍮スタンド(1個)・取扱説明書・箱
【サイズ】W74 × H100mm
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