制作事例CASE27:耳付き和紙名刺



こんにちは。そして皆さまはじめまして。

突然ですが7月から山添の一員となりました、山口と申します。

全く経験のない業界に飛び込んでまいりましたので、今は右も左もわからない状態ですが、どうかあたたかく見守っていただければと思います。


今回は私が印刷事例、並びに初印刷にトライしましたちょっとした体験談もお届けできたらと思っております。




▼制作事例

さて、今回の制作事例は大阪都心の川辺に佇む日本料理店「弧柳」様からのご依頼、耳付き和紙を使った名刺です。




高級感のある耳付き和紙。

お店の雰囲気にぴったりで落ち着いた上品な印象を受けますね。


そんな魅力ある和紙ですが、実は通常の活版印刷で使われる機械では、手漉き和紙の印刷は少し難しかったりします。手漉きの和紙は厚みや紙肌に個体差があるので、一枚ずつ取って印刷することが機械には難しく、また一気に印刷をすると紙同士が擦れてインキが紙についてしまい、汚れにつながる可能性もあります。

そのため今回はスタッフが手刷りで一枚一枚刷りました。

通常の機械では少し苦手な印刷も、こんな風にその時々で合った印刷をご提案できますので、ぜひご相談ください。



インキの汚れが付かないように少しずらして乾かしている様子です。


両面印刷の場合は基本的に表面をメインで押したいので、表面により凹みが出るよう、裏面から先に印刷していきます。

表面から印刷してしまうと、後から裏面印刷をしたとき、裏面からの圧が表面に響いてしまい、表面の凹みが押し戻されてしまうことがあるんです。


そんなことも考慮しながら、一枚ずつ丁寧に刷っていきます。



初めての印刷にトライしている様子…


今回苦戦したのは、インキを濃くしたい…でもインキの量を増やすと版に余分なインキがついて紙が汚れてしまう…というジレンマでした。

そこで、文字が太ってしまわない程度にできる限り最大ギリギリまでに圧を調整し、さらに何枚か刷るごとに、版側についた余分なインキをふき取るというなかなかに大変な作業が発生しました。

しかしその努力の甲斐あって、この名刺が完成。
はじめから完成まで一通り終えますと、一枚一枚の名刺になんとも愛着のようなものが沸きます。



雰囲気のある仕上がり…


手刷りインキの風合いがまた書体の雰囲気にも合っていますね。
美味しい日本料理に思いを馳せてしまいます…


なかなか慣れないうちは緊張しながら印刷していましたが、機械が動くたびに、耳触りのいいリンリンと鳴る音が可愛くて癒されました。また近々、来年度カレンダーの印刷もありますので、気合を入れて刷っていこうと思います!

今年は昨年と少しだけ雰囲気が変わる予定ですので、ぜひ皆さまお楽しみに。



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